1962年型マツダキャロル360CC
〜 はじめに 〜
1963年(S38年)8月、大学2年の夏休み、バイトで貯めたお金を懐に忍ばせて、仲良し6人組みで「マツダキャロル360」とマツダの「軽トラック」の2台で京都に向け出発した。
トラックには、テントやキャンプ道具を積んでいる。最悪の場合は野宿を覚悟していた。貧乏旅行なので、東名高速は利用せずに、国道一号線を走る旅である。
案の定、初日からトラブルだ。軽自動車に大人が4人も乗ったら箱根は超えられない。結局、運転手2名を残して、4人は歩いて山越えとなった。途中でトラックに便乗させてもらってヤットコサの箱根の山越えとなった。一日目は、思いのほか進まず、結局、静岡市で阿倍川の河原に降りてテントを設営して野宿することになった。
なんだかんだで、京都にたどりついたが、宿がない。結局、東本願寺の詰所のひとつである「東美濃詰所」に掛け合って泊めてもらえることになった。結局、ここに5泊することになった。宿の人たちは親切で、合宿所みたいに朝からドンブリ飯で助かった。
夏の京都は、クソ暑くて参ったが、19歳の若者達の無計画で無謀な貧乏旅行も当時は許されたのである。
二条城の前のホテル(現在の全日空ホテル)の屋上のビアガーデンで酔いつぶれた仲間を介抱したり、仲間がトイレの洗面器を吐瀉物で詰まらせたのを、手を突っ込んで直したりと、いろいろと経験した。
【詰所とは】
その歴史は古く明治時代にさかのぼると言います。全国各地から本山(京都東本願寺)にお参りや、奉仕に来られる門徒の方々に低料金の宿泊施設を提供していました。東本願寺周辺には、富山県詰所・飛騨詰所・砺波詰所・東浅井詰所・伊香詰所などがあった。
昔は数多くあった詰所ですが、建物の老朽化、経営者の高齢化、利用客の減少などで、今は数軒が残っているだけです。しかし、近年この詰所の良さが見直されつつあり、手頃な料金や広めの部屋、そして、ほとんどの詰所が京都駅の近くでアクセスが良いなどがその要素かと思われます。現在の詰所は外国人でも気軽に安心して泊れる宿泊施設となっています。
【巡った寺院】
智積院、知恩院、清水寺、天龍寺、南禅寺、青蓮院門跡、妙心寺 退蔵院、大徳寺 瑞峰院
三玄院、大仙院、黄梅院、西芳寺(苔寺)、東福寺、詩仙堂、金地院、醍醐寺、三千院門跡
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